ジェイ・トラッドが設立10周年
タンクコンテナの可能性追求 価値ある使い方を提供
国内でISOタンクコンテナの新造販売のほか中古タンクコンテナを買い取り販売する卸売業など関連事業を多く手がけるジェイ・トラッド。今年7月に設立10周年を迎えるにあたり、新たなタンクコンテナの可能性を追求する北野宣幸社長に話を聞いた。
「循環モデル」浸透
◇…40歳で起業されました。これまでの歩みを振り返ると。
「10年のうち約3分の1がコロナ禍の難局を経験したものの、今日を迎えられたことに感謝している。前職で中国現地法人の代表を任されたのが31歳で約5年半の海外勤務の経験で得た考え方や人脈が現在も生きている。化学品や飲料など液モノを貨物にするタンクコンテナは陸上のほか鉄道や船を使って海外へ複合輸送できる点で無限の可能性を秘めていて、構造がシンプルなだけにその使われ方に価値がある。当社が提唱する『フリート循環モデル』は、2000年頃に製造され代替時期を迎えたタンクコンテナ所有者に別の使い道を提案でき、仮に不要になっても当社が中古取引や下取りもするのでリスクヘッジにもなる。最近になってようやく当社のやりたいことが顧客との間で少し共感できるようになってきた感じはある」
契約仲介業も順調
◇…タンクコンテナを介した業務提携契約仲介(マッチング)ビジネスも順調です。秘訣は何でしょうか。
「単純にお金だけをもらうことはしていない。相手の利益もしっかり考えて一方通行での取引はしないようにしている。仕事を頂いたら、何かの形で返すようにしているので信頼してもらえるようになり今後につながってくる。世界的にみてもこうしたマッチングビジネスを手がけるのはほとんどなく、海外のタンクコンテナオペレーター会社が日本で新しいビジネスを始める際は、必ず話が来る。この業界でいろいろな会社とやり取りできるのは強みかもしれない」
修理・メンテに力
◇…タンクコンテナの価値をどうみますか。
「化学品や高圧ガス類など危険物の輸送や保管ができる点で今後も一定の需要はある。使用期間は約20年とされているが、もっと修理やメンテナンスに目を向けないといけない。タンク缶体はステンレス(SUS)製で壊れにくいかもしれないが、フレームや各種部品は鉄製が多く経年劣化するほか外面塗料も剥がれる。最近は新造品の販売価格も上昇局面にあり、サーキュラーエコノミーの観点から中古タンクコンテナが見直されていて需要があるとみている」
◇…今後考えている新しい取り組みは。
「タンクコンテナはもちろんだが、保管や洗浄、修理ができるデポに近いところで事業を広げるチャンスがある。例えば、内部を洗浄する部分でロボットや自動化設備をリースで納入して洗浄作業の省人化に貢献することができる。この業界はまだアナログ的なところが多く残っていて限られたソースに頼っているのが現状で、日本が世界から取り残されないようにしたい。今後も『褪せぬ情熱、たゆまぬ努力』であと20年は頑張っていきたい」
(聞き手=峯岸大輔)
『化学工業日報』2026年(令和8年)5月25日 10面
